ブラジルの「フェミタクシー」アプリの着眼点

昨日の朝日新聞で「フェミタクシー」が紹介されていました。
「フェミタクシー」スマホアプリは、ブラジルで女性がタクシーを利用したいとき、女性がスマホアプリを使って女性ドライバーのタクシーを呼べるサービスです。

このアプリの着眼点がとてもいいんです。
ただ、この前提となるブラジルの治安や文化の一部である女性軽視については、とても悲しいこと。
この問題を直接解決するわけではないですが、困っている人たちを助けているのは確かです。

タクシーの女性客が、男性ドライバーから差別や被害を受けたり、ということや、女性ドライバーが、男性客から怖い目にあったり、ということで、女性客だけでなく、女性ドライバーも、タクシーで不安や恐怖を感じたことがある。また、これからも不安を感じる。
つまり、過去の困っただけでなく、将来についても困っている。

この人々の困ったに目を付けて、利用客とタクシーとの女性同士をつなげるアプリを開発し、安心を提供する。
登録者数は、女性利用者、女性タクシードライバーともに多数。
多数の登録者があつまれば、それは、シリコンバレー流のビジネスになります。

登録者から利用料を取らず、無料で利用してもらって、多数の登録者に対して広告を流すわけ。
そして、広告主から広告料をいただく。

問題解決については、問題と原因とを分けて考えて、問題にではなく原因にアプローチするべきなんです。
この根本について、差別意識が原因なので、本来であれば、原因である差別意識に対策を取るべきですが、う~ん。

根本解決になっていないですが、困っている人々に安心を提供して、少しでも人々が暮らしやすくなるようにITが手助けしているって素晴らしいですね。

ビジネスの観点でみると、
①人々の「困ったこと」にきちんと着目して、安心を提供している。
②シンプルにアプリの機能を構成している。つまり、女性ドライバーと女性客とをつなげる機能。
③他の見込み客に伝わりやすい。特に、利用者が女性個人であると、口コミで広がりやすいですね。
これらが人気の秘訣でしょう。